始めに
◎古書Projectの趣旨
「the古書」を開設しもうじき1年半を迎えようとしています。
この間、一地方組合の、一古書店が運営してきたという現実の中では、当初予想していた以上の
多くの古書店に参加していただいていることは、望外の喜びであり感謝の念にたえません。

一方、「the古書」では、サイト容量の限界があり、現状のままでは、早晩登録データー件数の上限に
行き着いてしまいます。どう頑張っても、100万点を越えるデーター処理は不可能です。

現在、ざっと見積もって、全古書店サイトの目録点数は、おおよそ180万点位ではないかと見ています。
そして、その量は日を追う毎に急速に増加しているはずです。
一年前には、80万点前後だったと思いますから、この一年間の増加率がいかに急激なものだったか、
驚くばかりです。この傾向は今後も続き、数年中には1000万点を越える古書データーが
net上にupされてくると予測できます。
ところがこの様な予測の下に、データー処理が出来るような体制を整えているサイトは全くないというのが現実です。
予測しうる膨大なデーターを高速に処理していくためには、共通の仕様を早急に作り上げ、
効率的なデーター処理体制を整えていく必要性を痛切に感じています。

古書というのは一種独特の商材ですから、ある程度の経験を踏まえておかないと、
共通土俵を作る事は困難であると云う性質があります。
漫画だけとか文庫だけと云うように対象を限定特化すればある程度は可能なのですが、
広く古書一般を見据える時には、現状のままでは如何ともし難いというのが現実です。

又各サイトのデーター仕様がバラバラであり続ける限り、個々のサイトのデーターは孤立した状態が続き、
入力作業に掛かる労力は、いつまで経っても軽減されません。
むしろ販売が伴う分、目録点数が増えれば増えるほど各店の作業効率は次第に悪化していくと予測されます。
日々膨大な労力を各古書店が目録作成に費やされていることと思いますが、
必ずしも販売に結びつく状態にはないのではないかと思いますし、
その事が目録作成に対する熱意を失わせる事になるのではないかと懸念して居たりします。
無論これは他人事ではなく、当方に於いても状況は同じです。

これらの事は、同時に古書愛好家の方達にとっても決して利便性の高い状況にはないと云うことを意味しています。
むしろ、古書のデーター量が増えれば増えるほど、現在のようにバラバラな状態では、
利便性は低下していくと云わざるを得ません。

net環境は日々進化・発展しています。
今日の最新状況も、半年後には、陳腐化していきます。
各古書店にとってこの事も大きな負担です。
目録仕様をnetの最新状況に適合させようとすると、膨大な労力が掛かります。
数年間net古書店を営まれているサイトであれば、これまでに何度となく、目録仕様の作り替えを
行ってこられたのではないかと思います。
その様な負担の軽減も古書Projectを考えるに到った契機です。
古書Projectでは、ネット環境の変化を可能な限り、素早くシステムの中に取り込んでいきます。
そうする事で、各古書店は常にさほどの負担もなく最適環境に適応し続けていく事が出来ると考えます。
これを実現する為には、プロバイダーのホームページサービスやレンタルサーバーでは不可能であり、
C言語で開発したプログラムを動作させる事も可能な、独自サーバーをあえて設置した次第です。
勿論、古書Projectに参加される古書店はプログラムの「プ」の字も知っておく必要はありません。
そうした面倒は、全てProjectホストの方で引き受けます。
日本語入力が出来れば充分です。

又、プログラム作りの経験や知識のある方なら、Project内で思う存分その力を発揮して頂きたいと思います。
typeA、typeB、での参加であれば、その様なことも可能です。

古書Projectの趣旨をご理解いただき、多くの古書店が参加されることを願ってやみません。

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