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書 名戦旗36人集
作 者江口渙・貴司山治編
出版社改造社
シリーズ-

memo
【抄・序】
(序)より
 われわれの「戦旗」が1928年6月1日、全国無産者芸術連盟の機関誌として、唯一の正しい解放の道を歩む芸術家達の手によって、果敢に創刊されて以来、今日までまさに2年と3ヶ月の歳月が流れた。
 創刊当時、僅かに七千の発行部数しかなかった「戦旗」は、今や二万四千の数字を示し、更に、最初は単に、全無産者芸術連盟の機関誌にすぎなかったものが、何時かそれ自身の強力なる成長によって、ついに全日本の××的労働者農民の機関誌にまで発展するに至った。
 その間、二回の臨時増刊をまじへて、二十九の号数がかさねられたが、その中で、実に前後十六回の多きに亘って、発売禁止の災厄が見舞った。ことに本年に入ってからは、一月と四月の二回をのぞいた以外の七号は悉く禁止だ。

 全日本無産者芸術同盟が、1929年2月9日、専門別に整理せられて、日本プロレタリア作家同盟に再組織され、全日本無産者芸術団体協議会(ナップ協議会)の組織の中に、新たなる活動を開始して以来、わが同盟の力は、実に眼ざましい進歩をとげた。

だが、「戦旗」に対する不断の××は、同時に又、わが同盟と同盟員に対する××でもある。そしてその結果、ついにわれわれの間から相次いで犠牲者を出すに到った。
 われわれは犠牲となったそれ等の同志達の家族の慰安と救援のためにここに同盟員三十六名の作品を編んで一本となし、謹んでその印税を贈ることにした。



【目次】
p1…序(江口渙)1930年7月20日
p9…「市民のために!」(小林多喜二)
p19…「蛍の光」(山田清太郎)
p39…墜落(立野信之)
p51…党員(武田麟太郎)
p63…妥協はない(村山知義)
p73…移住する彼の家(本庄睦男)
p93…闘士とその妻(越中谷利一)
p107…霧のアパートメント(林房雄)
p123…少年(田辺耕一郎)
p141…電気化学独習書(片岡鉄平)
p155…職工慰安会(貴司山治)
p183…燻る(上野荘夫)
p213…秩序を保つ者は誰か(江馬修)
p241…南葛労働者(森山啓)
p247…子供(藤沢桓夫)
p257…山狭の動き(猪野省三)
p269…少年決死隊(江口渙)
p281…耕地区分表(細野孝二郎)
p293…草間中尉(藤森成吉)
p303…敗れて帰る俺達(三好十郎)
p313…捕虜(槙本楠郎)
p321…検束された彼(岡下一郎)
p331…夜刈の思ひ出(中野重治)
p337…小資本家(徳永直)
p365…異国の土(西沢隆二)
p377…前衛の父(鹿地亘)
p395…再び立上る日の為に(下川儀太郎)
p403…解雇まで(橋本英吉)
p419…兄の同志に送る手紙(壺井繁二)
p421…解団式(白須孝輔)
p437…工場地帯小景(久板栄次郎)
p449…窓(窪川鶴次郎)
p445…檻の中(波立一)
p459…広場より(仁木二郎)
p467…あいつ安んぜよ(小林園夫)
p479…労働者の家(窪川いね子)

【本文】


【後記・他・関連書】


【類本】
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