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書 名テリトリー論
作 者伊藤比呂美
出版社思潮社
シリーズ-

memo
【抄・序】
(帯)より
戒厳令下のワルシャワ、
西宮、熊本、束京。
通過する都市。
結婚、そして
カノコの誕生。

何ものかを喪い、何ものかを生んだ、
二十代の終章を限りなく自由な
言葉が露出させる。

【目次】


【本文】
p131
はずかしい分娩
成長する卵たち
分裂する卵たち
蠕動する卵たちが
足を突き出す額を突き出す
うれしい
うれしい卵たち
うれしいしいたけ
うれしいなっとう
うれしいはっさく
うれしい腎臓
うれしい小鳥の霰たち
うれしい「ひろみ」たち
産みたい
産みたい

p128
まるのままのおちんちんのついた(産みたい)
それでわたしと性交できる(産みたい)
わたしに射精できる(産みたい)
髭を剃らなけれぼいけないが(産みたい)
剃っても剃りあとに体臭が残っている(産みたい)
二十二歳の背の高い男を(産みたい)
十九歳の背の高い男を(崖みたい)
二十五歳の背の高い二十九歳の背の高い男を(産みたい)
大便みたいに
産もう、一緒に
すてきなラマーズ法で
うー

【後記・他・関連書】


【類本】
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