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書 名日本農法の提唱
作 者飯沼二郎
出版社富民協会
シリーズHuminBooks

memo
【抄・序】


【目次】


【本文】
p15
農学とは、もともと、農民が体験的に考案した技術を理論づけたものである。まず、農業があって農学があるのであって、決して農学(外国から導入された)があって農業があるのではない。明治の初年、国立駒場農学校で西洋人から西洋農学を学んだ人々は、さらに、農民から謙虚に稲作技術を学んで、それを西洋農学によって理論づけようとした。なぜなら、西洋人からは、当時の日本農業の最も重要な部分であった稲作について学ぶことができなかったからである。そして、その結果、日本における近代農学が誕生することになったのである。
 しかし、ひとたび、近代農学が成立すると、以後は、農民の体験に学ぶという態度が、日本の農学者からは次第に失われていった。農学は「農学」ではなくなり、生物学になっていった。明治の末年、かつて近代農学を成立せしめるに最も功績のあった横井時敬は、このような状況を嘆いて、「農学栄えて農業滅ぶ」という有名な言葉をはいた。


【後記・他・関連書】


【類本】
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